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髪がパサつく一因にカルシウムが影響

髪のパサつきには様々な要因がありますが、最近の研究では水道水中のカルシウムが質感低下を招くと言われております。海外旅行で硬水地域に行った時などに髪がごわつく、パサつく等の状態になるのはこのカルシウムが髪に多く付着した為です。

日本はほとんど軟水


ライオン家庭科学研究所資料をもとに作成

水の硬度はカルシウムイオンやマグネシウムイオンの量によって決まります。
日本はほとんどが軟水地域ですが、温泉地や石灰質の山間などは硬度が高い場合があるようです。この硬度を表す単位はドイツ式(DH)とアメリカ式(ppm)があります。(1dH=17.8ppm)120ppm(6.7DH)を超える場合、硬水となります。(軟水、硬水の定義は国によっても異なります。)上図は日本の生活用水の硬度分布です。(沖縄はかなり硬度が高いですね。硬度が高い水で石けんを使用すると金属石けん(石けんかす)が多く生成され、洗浄力が低下してしまいます。

ダメージレベルが高い程カルシウムは吸着する


表:株式会社ライオン発表資料

左のグラフはノーマル毛とダメージ毛の金属イオン量の比較です。水道水中に含まれる金属イオンはナトリウム、銅、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、リン、鉄、カリウムなどです。ノーマル毛と比べるとダメージ毛の方が約4倍のカルシウムが検出されています。また金属イオンは全てが陽イオンです。髪は傷むとマイナスに帯電するため、ダメージレベルが高いほど陽イオンを引きつけます。
このカルシウムの付着により毛髪のしなやかさや手触り、艶が低下します。黒染めを経験した事がある方なら金属イオンによる質感低下はどのようなものかイメージが出来ると思います。

毛髪の部位によるカルシウム量の違い


表:株式会社ライオン発表資料

ダメージレベルが高い程カルシウムが付着する事を裏付けるもう一つのデータが左のグラフ。毛髪の部位によってどのくらい付着量に差が出るのかを検証したものです。ショートのノーマルヘアでは根元と毛先でそれほどの差異はありませんが、髪が長くなる程、根元より毛先の方が多くカルシウムが検出されています。毛髪は長くなるほど毛先のダメージレベルが高くなりますのでヘアケアは毛先を中心に念入りに行ないましょう。

カルシウム除去にグリコール酸配合トリートメントが有効


表:株式会社ライオン発表資料

左のグラフはグリコール酸配合のトリートメントを使用した際のカルシウム量の変化。7回の使用でノーマル毛と変わらないレベルまでカルシウムが除去されています。一般的にトリートメントはカチオン系(陽イオン)なので金属イオンが多く付着しているとプラス同士で反発しトリートメントの作用があまり期待できませんが、グリコール酸はカルシウムと結びつくので除去に有効です。グリコール酸配合のトリートメントが無い場合は酢をお湯に薄めて使う事も有効です。酢酸がカルシウムと結びつき酢酸カルシウムという水溶性の物質になります。カルシウム除去には酸の力が必要なのでクエン酸水溶液(5%濃度程度)も有効。一度で劇的に変化しませんがトリートメントと併用する事で改善されていきます。しかし、黒染めの毛髪では効果は期待できません。

海外旅行で硬水地域に旅行

海外の硬水地域では日本のシャンプー等はあまり効果がないようです。シャンプー等には金属イオン封鎖剤(キレート剤)が配合されていますが、使用環境が軟水の想定でつくられているので、海外硬水地域では金属イオン封鎖の効果があまり発揮出来ないようです。現地調達のほうが良いかもしれません。

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