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アルカリによる毛髪の強度低下

毛髪の等電点(一番安定しているpH)は4.5〜5.5の弱酸性です。(現在の研究では毛髪内部はもう少し低いのではないかと言われています。いずれにしても酸性域ですが)弱酸性が髪を傷めないという事はみなさんご存知だと思います。厳密にいうと傷まない施術などは存在しませんが、ここでは「毛髪強度を著しく低下させること」を傷めると定義させていただきます。薬剤を使用した毛髪の強度変化を実験しました。

ヘアアナライザーによる引張り強度測定


ヘアアナライザー

今回は縮毛矯正剤とパーマネントウェーブ剤で実験。アルカリ性(pH8.9)とノンアルカリ(中性)の薬剤を用います。引張り強度はヘアアナライザーを使用。毛髪は0.07mmで引張り強度100g(いずれも平均値、カラーリング無し)薬剤の1液放置タイムは15分2液も15分です。加温処理はしていません。(室内温度約25℃)使用毛髪や薬剤のpH、アルカリ度、還元剤濃度等によって結果は変わります。アルカリとノンアルカリでどの程度強度に変化がでるのでしょうか。

縮毛矯正剤を使用した毛髪

アルカリ1液塗布後 2液塗布後 ノンアルカリ1液塗布後 2液塗布後
50g 60g 80.8g 93g

上記の数値は平均値です。アルカリの薬剤の方が1液、2液塗布後ともに毛髪強度が低下している事が分かります。1液で還元した毛髪を2液で酸化させてももとの毛髪強度には戻りません。一度矯正を施した部分には次回施術の際に薬剤がつかないようにする必要があります。毛髪強度が50g程度になってしまうとパーマの際にカールやウェーブがきれいに形成されません。縮毛矯正した後にパーマをかけたい場合は可能な限り毛髪強度を低下させない事が重要です。デジタルパーマをされる際も同様の事が言えます。くせを伸ばす力が強い薬剤程強度が低下する傾向があり、根元はストレートで毛先はカールといったスタイルはくせが強い方ほど難しいのが現実です。

パーマネントウェーブ剤を使用した毛髪

アルカリ1液塗布後 2液塗布後 ノンアルカリ1液塗布後 2液塗布後
76g 80g 94g 99g

上記の数値は平均値です。パーマにおいてもアルカリの薬剤の方が1液、2液塗布後ともに毛髪強度が低下している事が分かります。縮毛矯正よりも還元力が弱いため、強度低下は縮毛矯正程ではありませんが、繰り返しの施術には前処理などの注意が必要です。ノンアルカリに至ってはほとんど強度低下は認められません。パーマをかけるサイクルが短い方はノンアルカリがオススメです。

アルカリが全て悪い訳ではありません。

今回の実験は一つの実験結果に過ぎません。使用薬剤によっても異なり、髪質によってはアルカリ処理が有効な場合もございます。pHがアルカリでも還元剤の種類等によりダメージ軽減は可能です。

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